人生でほぼ初めて会うに等しい、フィリピン人の息子と日本人の父親との再会をヘルプしました。
とても感動的なお話です。ぜひシェアさせてください。
Kenji君との出会い
ある日フィリピンからKenjiと名乗る男性から私の写真ツアーの申し込みをいただきました。
「こんにちわ、やす。4/1の8PMに写真撮影をしてほしいんだけど、予約出来ますか? よろしく、ケンジより」
という内容です。
更にはこんなリクエストが!
「やすはアキバカートに興味ある? 僕が全部費用払うから一緒にアキバカートに乗りに行かない? そしてその写真も撮って欲しいんだ」
というリクエストが笑
アキバカートとは東京の観光地を歩いていると必ず目にするマリオカートに扮して外国人が楽しんでいる一般の車道を小さなゴーカートで走ることが出来るゴーカートレンタル会社です。
東京都内に数店舗の公道カートの店舗がありますが、その中でも人気のレンタルゴーカートショップです。
それにケンジ君が費用を全部出してくれるとのことです!
ずっと前から一度は試してみたいと思っていたアキバカート。
私はこのとても楽しい依頼をすぐに引き受け、ケンジ君と共にアキバカートを楽しむことに!
アキバカートに乗ってみた
当日私たちはアキバカート近くのローソンで待ち合わせしました。
ケンジ君は非常に日本人らしい顔をしている青年です。
そして私たちは公道カートを楽しみました。
アキバカートとても楽しかったです!
日本人でこのゴーカート体験をされた事のある方は非常に少ないですが、日本人の方にもとてもオススメします!特にインバウンドに関係されるお仕事をされる方は、このような外国人に人気の体験を実際に感じてみることも重要です。
公道カートに乗った後、私はプライベートな事について彼に質問してみました。
私「ケンジって日本の名前だけど、なんでなの?」
するとケンジ君はこう答えます。
「実は僕のお父さんは日本人なんだ。お母さんはフィリピン人。僕が小さな時に二人は別れたよ。お父さんは今埼玉に住んでいるみたい」
なるほど、お父さんが日本人なんだね。
その時それ以上深くは聞きませんでした。
私も小さな時に両親が別れていますし、深く聞き入る事ではないと心得ています。
ケンジ君は今回の日本旅行に単に観光として来ただけではなかったのです。私にとっても大きな人生体験へと繋がります。
ここからが今回のメインの内容になります!
「お父さんと会いたい」
公道カートを楽しんだ私たち。
帰宅して、ケンジ君の写真編集をしていると、彼からメッセージが送られて来ました。
「ヤス、お父さんに電話してくれない? もしヤスがお父さんに電話出来たら以下の内容を伝えてくれないかな? 待ち合わせ場所は大宮盆栽美術館、日時は4/3の13時で…」というケンジ君がお父さんと会うための情報のようです。
ここで一点大きな問題が発生します。
ケンジ君のお父さんは完全に英語が0%らしいのです。
そしてケンジ君はコンニチワも知らない日本語0%です。
つまりケンジ君の待ち合わせ場所を伝えて実際に会えたとしても、二人は一切会話ができないという事です。
とりあえず私はケンジ君のお父さんに電話をして、まず私が誰なのかから説明をして今、あなたの息子が東京に来ている事を伝えました。
私「もしもし、今お父さんの息子のケンジ君がフィリピンから東京に来ており、お父さんと会いたがっています」
ケンジ父「え?あ?!あ、そうなんですか!ぜひ会いたいです!」
とお父さんも非常に驚いていました。
そしてお父さんも同様に「私は英語が全く話せないから、ケンジと何もコミュニケーションが取れないです。ヤスさんも来ていただけませんか?」というヘルプが。
ここで私が断る理由がありません。
国境を超えた親子の再会を私はヘルプすることにさせていただきました!
再会の日当日
まず私とケンジ君は上野駅で待ち合わせし、その後お父さんと会う埼玉の大宮駅のカフェへ向かいます。
少々待ち合わせの時間より早めに着いたため、大宮駅近辺で撮影してお父さんを待ってみることに。
このような写真を撮りながらお父さんが来るのを待っている際、正直私は、もしもケンジ君がお父さんと会った瞬間感動して号泣し出したらどうしよう、どんな状況になるんだろうとも少々不安な気持ちもありました。
そしてついにお父さんが駅から来られました!
会った瞬間ケンジ君はお父さんにハグをします。
非常に嬉しい光景でした。
そのまま肩を組み話ができるカフェに向かいます。
カフェに到着後私はお互い少々緊張が見える親子の話の架け橋的な役割として、ケンジ君がお父さんに伝えたい事などを話しました。
私はお父さんに踏み込んで、ケンジ君とはいつぶりの再会なのか聞いたところ、ケンジ君が生後数ヶ月の時以来見ていないということです。
つまりケンジ君にとってはほぼ人生初でお父さんと会ったという事になります。
東京観光撮影サービスからまさかこのような親子の再会を手助けできるとは思ってもいませんでした。
↑翻訳機を使って会話をする二人
私は今後も二人が気軽に連絡を取れるように、二人ともスマホに持っていなかったLINEをインストールしてもらい、二人を繋げて更に自動でお互い送りあった文章をそれぞれ相手の言語に翻訳してくれる翻訳機能も二人のLINEに追加してあげました。
これでお父さんがケンジ君に「元気か?」と日本語で送ってもケンジ君のスマホには「How are you?」と自動で表示されるようになり、気軽に今後も会話ができます。
感動の再会記念撮影
カフェで2時間程会話をした私たちは、そろそろサヨナラをすることに。
大宮駅の前で最後の記念撮影をしました。
浅草寺での写真撮影に予約してくれたことでケンジ君と繋がり、更にはケンジ君とお父さんの再会を繋げる役目を担うことができて本当に良かったです。
私は今後もこのような貴重な経験を仕事を通して行なっていきたいと実感した次第であります。
お金のために働くのって、口座の額ではお金があるのでしょうが、心の満足感は貧しいと思うんです。
私がいなければ彼らはそもそも会っていたのか?そのぐらいにも思えてしまいます。
本当にヘルプができてよかったです。