札幌フクロウ収監問題




 

先日Facebookで、お友達のDJが、とある方の投稿に「いいね!」していました。

それがこちら。TOP

フクロウを見世物? 適切な環境へ戻す?
一体どういう事でしょうか。

早速クリックしてみましょう!p1左上に「change.org」とサイト名が書いてあります。

そもそも「change.org」とはどんなサイトなのでしょう。
どんなページにリンクした場合でも、まずはそのサイトが何者なのかを知る事が重要です。 信頼出来るサイトかチェックしましょう。
色々サイト内をみてみると、このようなページがありました。

①法律の改正を訴えているページや、沖縄のビーチにホテルを造らせない署名を集めていたりと、様々な可決されている事項に反対の声を募る項目。

②2020年のオリンピックに空手を正式種目に希望する、公園にスケボーパークを作って欲しい等、現在無いものへの希望。
でした。

簡単にまとめますと、私達が日頃から変えたいと思っている日常的な事から、数年後の未来へ良い社会を作っていくために変えたい事を、このサイトで募って共感者を集め、そのアイデアを実際に実行していくという目的のようです。
確かに一般の声を公共や企業団体に訴えるには署名が一つの武器になるのは間違い有りません。

サイトの主旨が分かった所で、今回のフクロウ君のページへ目を向けたいと思います。
一体どういう事なのでしょうか。p2「株式会社べガスべガス」とは札幌の有名なパチンコ店です(札幌パチンカー界隈では通称ベガベガで知られています)
説明文を読むと、べガスべガス数店舗に、狭くて屋外の空気も吸えない檻の中に、北海道の神聖な動物であるフクロウ君が収監され、見世物状態にあるというのです。

しっかりと英語でも訴えの言葉を残しています。これで日本国外にもメッセージを伝える事が出来ますね。
Save the owls imprisoned in the pachinko parlor named Vegas Vegas in Japan.
(訳:日本のべガスべガスというパチンコ店で収監されているフクロウ君を守ろう)
imprison…刑務所内、獄中の、という意味の言葉で表現されております。 まさにその通り。

どう考えてもお金をゲットしにきたパチンカー達が、ギャンブル会場にいるフクロウを見て癒されるとは思えません。 目に入っても気にも留めずにスルーでしょう。 ベガスベガスの大きな判断ミスです。 一体社内でどんな話し合いをした中で、「よし!フクロウを店に置こう!」という結果になったのでしょう。

とは言いましても、良い話悪い話、どんな話でもすぐに鵜呑みにするのはこのネットの世界では非常に危険な事なので、本当にフクロウ君がこのパチンコ店にいるのか、見に行ってきました。p3黄色でラインをした、狸小路二丁目店は、札幌に爆買いをしにやってきた、ピンクや黄色などの原色ファッションに身を固め、自然の多い札幌に更に眩しい光をテイスティングしてくれる中国からの観光客の皆さんで賑わう札幌の中心地”大通り”エリアにあるショッピングアーケード内にある巨大パチンコ店です。p4
写真 2015-05-13 17 24 18ありました! 「フクロウの森」と題され、自分がフクロウの大きな写真を見ているのかと錯覚するほど微動だにしないフクロウ達。

テーブルには額入りで何か飾ってありました。写真 2015-05-13 17 23 48 写真 2015-05-13 17 23 51写真 2015-05-13 17 33 19このべガスフクロウの森には全部で6羽のフクロウがいるようで、自己紹介文には吹き出しで一羽一コメントが書いてあります。 どれも海外の品種で北海道のシマフクロウ・エゾフクロウはいませんでした。

このフクロウの森は店内のパチンコ店と外のアーケードショッピング街の間に挟まれており、商店街を歩く人達からも見える仕様になっています。写真 2015-05-13 17 25 41↑通りすがりの女性も「わぁ〜」と言いながら撮影していました。にしてもこの様にパチンコ台が、商店街を歩く子供から一般の人まですす抜けです。(風営法で外から店内が見えてはいけないと聞いた事が有りますが…)

最も懸念されるフクロウ君を見てみましょう。
写真 2015-05-13 17 23 56 写真 2015-05-13 17 25 32 写真 2015-05-13 17 25 53写真 2015-05-13 17 26 10足にはサイドステップも踏めない短さの紐が括り付けられており、ただせさえ狭いゲージの中も飛べない仕様に。
写真からは伝わりづらいですが、完全に生きる気力を失っています。 イメージアップを図ろうとしているべガス社の考えでしょうが、見れば見るほど悲しくなる気持ちに…

鳥の生態に無知の私はこのフクロウ君達の体調が気になって仕方が無いのですが、べガス社からはこんな説明がありました。写真 2015-05-13 17 32 26↑一般人が思いつく心配点を見事に拾い上げるフォローが。 

もしも、これらの事項が全て正しかったとしても(足革のストレスの回答はかなり無理を感じますが…)、動物をイメージアップで使う手法自体がバブル時代のニオイを感じます。

写真 2015-05-13 17 26 47のコピー↑フクロウ君達の話を無しにしても、この石田のドヤ顔看板は撤去して頂きたい。 こういうセンスは札幌とはミスマッチです。

写真 2015-05-13 17 33 23↑狸小路の新名物と唱い、幸せのとフクロウのフクをかける当たりもバブリーセンス。

特に北海道におけるフクロウは、アイヌとの歴史ある動物です。
こんな事しちゃうとアンテナ高い人達がFB上で反対の声を投稿しているのは当然です。

コチラがchange.org上で署名を集めているキャンペーンページです。
Save the owls imprisoned in the pachinko parlor named Vegas Vegas in Japan.

最後に日本全国の方に北海道とフクロウの繋がりを知って頂きたく、私が道東を旅した時に撮影した写真を見て頂こうと思います。_IGP8640↑阿寒湖近辺にある「アイヌコタン」という北海道最大のアイヌの方々の集落地です。(コタンはアイヌ語で”集落”) 鳥居の上にフクロウが街を見守っております。 建物の前の壁全面に描かれているトライバルはアイヌの模様です。

 

北海道にはシマフクロウとエゾフクロウが有名なフクロウがいます。
シマフクロウは絶滅危惧種です。
ちなみに何故か弱小チームなのに来てくれた小野と稲本が所属するJリーグチームのコンサドーレ札幌のマスコットキャラクターもフクロウです。

べガス社は、そんな北海道で触れてはいけない動物に触れてしまったようです。

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