【Youは何しに海外へ?】タイ人ブロガー・プーワナットさんインタビュー




 

北海道ブロガーヤス松尾(Instagram)です。
今回は「Youは何しに海外へ?」と題し自国から海外に移住されて活動されている方に、インタビューさせていただくコーナーです。

これから海外移住や世界を視野に何か挑戦してみたい!とお考えの方が参考になるようなポイントをお届けできれば光栄です。

 

今回のインタビュイー

今回インタビューさせていただく方はタイから北海道に移住されているPoowanat(プーワナット 通称プー)さんです!

 

彼はタイから日本にやって来て、一体なにをしているんでしょうか?
深く聞いていきたいと思います。

 

インタビューの前にタイについてCheck!

↑タイの国旗はトントライロングと呼ばれる三色旗で、2本ずつの赤白・紺1本で形成されています。
赤…国家・国民の団結心
白…宗教
紺…王室
を意味しています。

公用語…タイ語
面積…約51万㎢(日本は約37.8万㎢)
首都…バンコク
漢字表記…泰
通貨…バーツ(1TBH≒¥3)
人口…約6,890万人
時間差…ー2時間(日本が正午の時現地は午前10時)
人気スポーツ:ムエタイ、サッカー、バレーボール、セパタクロー

 

それではインタビュースタート

今回はプーさんの取材業務の同行中にインタビューさせていただきました。
場所は山形県の某旅館からお送りいたします。

「プーさんインタビューよろしくお願いします」

「こちらこそ^^ 何でもお答えしますので色々聞いてください」

「それでは早速聞いていきます!プーさんはタイのどちらの出身なんですか?」

「出身はバンコクですよ」

♠バンコクってよく聞くけどどんな所?

バンコクは東南アジア屈指の世界都市であり、アメリカの旅行雑誌『トラベル+レジャー』で、2010年から4年連続 “世界一の観光都市” として評価されました。

人口…約828万人
日本の姉妹都市…福岡県
正式名称
「クルンテープ・プラマハーナコーン・アモーンラッタナコーシン・マヒンタラーユッタヤー・マハーディロックポップ・ノッパラット・ラーチャタニーブリーロム・ウドムラーチャニウェートマハーサターン・アモーンピマーン・アワターンサティット・サッカタッティヤウィサヌカムプラシット」と非常に長いことでも有名。

 

「日本に初めて来るキッカケは何だったんですか?」

「私が大学4年生の時に日本で東日本大震災が発生しました。初めて日本に訪れたのは、その震災のボランティアプロジェクトに参加した事なんです。当時タイの複数の大学から各1名ずつの生徒が集り、全10日間で被災地や東北地方の各地を訪れました。」

♠プーさんの大学時代
プーさんの大学「シラパコーン大学」は1943年にイタリア芸術家によって設立された国立大学。
学生数は約26,000人。


創設時は美術専門の学校だったこともあり、美術そして考古学の分野においてはタイ国内最高峰と言われています。

プーさんはこのシラパコーン大学の文学部日本語学科の生徒だったというわけです。

 

「日本被災地を訪れた際、私たちが手助けをする立場なのに多くの現地の方々から親切で優しいおもてなしを受けました。その時に感じた思いが非常に大きく、さらに日本のことが好きになりました。

「日本語は大学に入ってから勉強されたんですか?」

「私は元々外国の言葉に興味があり、高校の日本語サークルに入りそこから勉強をはじめました。大学に入ってからは言語以外にもタイの楽器、そして演劇についても学びました。」

「楽器や演劇まで?! 随分と幅広いですね! 大学を卒業してからの事も教えてください」

大学卒業後はすぐにタイの広告代理会社に就職しました。」

「そちらではどのようなことをされていたのですか?」

「タイでビジネスをしたい日本企業とタイの企業と繋げるビジネスサポートや、タイと日本それぞれお互いの国に興味のある人たちへ向けて互いの国の情報を発信するウェブマガジンを運営していました。

その中で私はANNGLEと言うメディアサイトを担当していたんです」

♠ウェブマガジン「ANNGLE」
タイ情報を日本へ伝える版】
http://anngle.org/

【日本情報をタイへ伝える版】
http://anngle.org/th/

タイで話題になっている時事ネタや若者の流行など、タイにいなくともタイの最新情報がキャッチ出来るサイトになっています。

 

「Anngle社で働いている時から、日本に住んでもっと知らない文化を勉強してみたいと思い、色々調べていました。 するとタイ人が一人もいない札幌国際大学大学院のことを知り、この大学院に誰も知り合いがいなかったですが、思い切ってメッセージを送ってみたんです。

“こちらの大学に行きたいんですが、どうすれば行けますか?”
本当にこのままの文章で送りました笑

すると留学担当の方から入学条件や手続き方法をアドバイスしていただき、最終的には実際に北海道へ面接に行くことになったんです」

「スカイプとかでは無く、直接北海道まで行ったんですね!」

「そうなんです笑 ANNGLEの社長にも北海道に面接に行く旨を伝え、三日間休みを取得し面接のためだけに北海道へ行きました。」

「弾丸面接の旅ですね! そして結果はどうだったんですか…?」

「一週間経ったある日、いつものようにANNGLE社勤務中にメールが届きました。
宛先は面接先の大学院からでした。 そして結果は… 合格でした! 会社のみんなも共に喜んでくれて、私は晴れて札幌国際大学大学院の観光ビジネス学科の生徒として2年間学ぶことが決まったんです。」


♣大学院入学後プーさんが個人で立ち上げた北海道情報発信サイト「Sugoisho Hokkaido!」
FBページ→https://www.facebook.com/sugoishohokkaido/
ブログ→http://sugoisho.blogspot.jp/


「北海道は広くて多くの市町村が存在する分まだまだ海外に知られていない場所がとても多いんです。そんな場所を、今までお世話になった方々に恩返しする意味も含め、世界に発信していきたいです」

「近年タイからの来道者数が増えているのですが、北海道がタイで大きく知られるようになった要因って何が上げられますか?」

「色々な要因がありますが、最も定番で言えば雪です。
また乳製品も有名で美味しい牛乳といえば北海道、といった印象はブランド化されています。

このように北海道の情報が大きくタイに入って来た頃にバンコクと北海道の直行便が出来たり、円安、そして私たちタイ人のビザが取りやすくなったことなどが上げられます。

旅行中や帰国後に旅の思い出の写真や場所をSNS上に発信し、“北海道=冬の観光地” というイメージから “夏でも綺麗な花畑や自然を楽しめる場所” として更に知られました。」

 

♣タイ人の来道者データ
⇒参考ソース「Trippino」
https://trippino-hokkaido.com/inbound/

 

「プーさんの一番好きな北海道の場所はどこですか?」

「私は道東エリアが大好きです。 都心部よりもローカルな場所が好きなんです。
人も多くなく、好きな場所で自由に写真を撮ったり、ゆっくり観光出来る道東は大好きですね。
特に鶴居村は特に好きな場所です。」

♣プーさんの推しの鶴居村とは?
北海道の東側「道東」
この道東エリアにある鶴居村は、名前に鶴が付く通り特別天然記念物タンチョウが生息することで知られています。

近年では移住促進事業が展開され道東エリアの雰囲気に魅了された本州からの移住者も増えています。

プーさんは札幌国際大学大学院卒業後、縁あって札幌のゲストハウスを運営する会社に入社し、北海道のローカルエリアに自国タイの人々を連れて行く体験型旅行ツアーや観光PRを始めました。

「北海道のローカル地方をもっと紹介したいんです。テーマは北海道とタイの人々が一緒に遊べる旅行です。

Tabitomo(タビトモ)というローカルツアーのプロジェクトを立ち上げ、これまで多くの北海道に興味を持つタイの人たちと色々な道内を回って来ました。」

♣プーさんのローカルツアープロジェクト「Tabitomo」
http://www.tabitomo.info/home-jpn/
サイト内では実際のツアーレポートがアップされており、日本文化や北海道の自然を楽しむタイの旅行者の方々の様子を見ることができます。

 

「北海道情報を発信するだけでなく、実際にタイから北海道に旅行者を呼んで北海道を楽しんでもらえるツアーを行なっていきたいです。
また今年からは北海道のみならず、初めて日本に訪れたボランティア訪問時に東北地方の方々にもとてもお世話になったので、東北地方の情報も発信していきます。

はっきりと覚えていることは、ボランティア訪問を終え日本を去る時「また東北に戻ってきたい」と強く思いました。
今でもその思いは持ち続けているんです。」

 

「最後にこの記事の読者さんへメッセージをお願いします。」

私は日本に来るまではタイの世界しか知らなかったので、自分がタイで学んだことが正しいと思っていました。しかし日本に来たら、自分の物事の考え方や思考の固さに気づいたんです。

なので出来るだけ海外へ行き日本には無い文化を見て下さい。
海外に行かなくても日本には多くの外国人が住んでいますから、外国人の人々と多く接して、思考の幅や表現方法を広げていって欲しいと思います。

もちろん自分の国だけで得る情報を信じるのも良いですが、外の世界に触れてその情報を照らし合わせることで、更にその情報をバージョンアップして行く、そのバランスが大事だと思うんです。

外の世界に触れてみないとわからない分野ですが、そのバランス感を持ち続けていれば、世界のどこにいても自分を信じることができます。」

「プーさんの言うそのバランス感、すごく重要なことだと思います。もう少しそのバランス感についてコメントをもらえますか?」

「例えば日本でコンビニに行ったら店員とお客の距離感はとてもあります。 お客は神様みたいな。 けれどタイの場合は、初めて来たお客に対しても気軽に話しかけたりして家族のように接するんです。

日本では “いらっしゃいませ、お客様” という感覚だとすると、タイでは “いらっしゃいお兄さん” といった感覚なんです。

その両者の違いを知っていれば、色々な場面で自分の感情や性格をコントロールすることが出来るんです」

プーさんありがとうございました!

このインタビューはプーさんが山形県かみのやま温泉にある旅館「有馬館」を取材すると言うことで、私はカメラマンとしてプーさんと共に北海道から二泊三日で山形への取材に同行させていただいた時の一日目の夜に行いました。

二泊三日プーさんと共に過ごすことで、私たち日本人には気づかない日本の土地の良さや、タイの人々が興味を持つポイントを教えてくれて非常に勉強になりました。
日本は本当に自然や四季に恵まれており、それが普通の環境で育った私たちはもっと海外の人々の意見に耳を傾けて、日本の様々な場所を発信していくべきだと感じました。

最後にプーさんが出演し私が撮影・製作した山形PRの動画をご覧ください。

 

プーさんオススメのタイ観光スポット

「日本人の方が “タイに行った” と言うと大体の人から聞く行き先はパタヤ、パッポン、ゴルフなどが多いです。しかしタイにはもっとタイの人々の生活を感じられる場所があります。
ぜひタイの日常的な生活を感じる場所へ行ってみて下さい。

タイは微笑みの国と言いますが、本当にその言葉を感じたことのある人は多くはないのではないでしょうか?

バンコクだと都会な分あまりそのような場面に出会える機会が少ないかもしれませんので、もう少しローカルな場所をお勧めします。」

というわけでプーさんにタイに行くならどこがオススメなのか質問し、プーさんオススメのタイ旅行先3点を教えてもらいました。
今後タイに行く機会や予定がある方はぜひともチェックしてみて下さい^^

①タイと日本の歴史を学ぶ「カーンチャナブリ」
カーンチャナブリで検索すると、どのサイトにもトップで出てくるのがこの全長250メートルの「クウェー川鉄橋」
映画「戦場に架ける橋」の舞台になったことでも知られ、戦時中の日本との関係性も強い場所です。
戦争関連の施設や博物館もあるため、ぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか?

年間を通して暖かい気候で、自然アクティビティの滝遊びや川下りをする場合は7〜9月がおすすめ。

 

②バンコク近くで自然と食事 タイローカルを味わえる「チャンタブリー」

バンコクから東へ約280kmに位置するチャンタブリー。
海に面しているため新鮮な海鮮類や、ドリアン、マンゴスチンなどの果物も人気。

人口は約50万人の小さな県ですが、タイ最大のローマ・カトリック教会の大聖堂「チャンタブリー処女降誕聖堂」も観光地の一つとなっています。

③バケーションなら「サムイ島」

タイには数々のビーチアイランドが存在しますが、その中でもプーさんオススメのビーチ島は「サムイ島」
特にサムイ空港から車で10分の所にあるチューンモン・ビーチは観光客も少なくのんびりしたビーチリゾートを楽しむことができるようです。

 

以上【Youは何しに海外へ?】タイ人ブロガー・プーワナットさん
インタビューでした!