ドローン初業務撮影!北海道下川町ウッドデザイン賞PR動画撮影




 

ドローン操縦士の北海道ブロガーヤス松尾(Instagram)です。
9月14日〜16日の二泊三日にかけて北海道下川町へ行って来ました。

目的はと言いますと…

 

人生初のお仕事としてのドローン撮影

 

としてなんです!

今回の空撮業務のお話をいただいたキッカケは、ちょうど1ヶ月前に人生で初めて下川町に行った時のことです。

 

下川町在住のガイドマン成氏に様々な下川町の方々を紹介していただきました。
↓成氏

 

様々な方を紹介していただいた際に、デザインのお仕事をされている寺田さんという方とお会いさせていただきました。
↓寺田さん

♣寺田さんが運営する寺田デザイン事務所
https://goo.gl/EHH53S

 

その時は挨拶と軽く談話をしただけでサヨナラしたのですが、後日寺田さんからメッセージをいただいたのです。

ウッドデザイン賞2017にエントリーしてます。
まず一次審査の審査中なのですが、もし一次審査が通れば次は2次審査です。

その際は映像が必要なんです。
映像制作協力をお願いしたいのですが…
寺田より
映像制作協力? ぜひ受けさせてください!
しかしウッドデザイン賞?エントリー?審査?
どういうことだ?と頭がハテナいっぱいに。
その後寺田さんに詳細を聞いたり、自分でもウッドデザイン賞について調べていくと面白いコンペティションということがわかったのです。

What’s ウッドデザイン賞?

ウッドデザイン賞とは「木のある豊かな暮らし」の普及・発展を目的にし、日々の生活や社会から木材利用を進むことを目的とした賞のようです!
日本全国から木材を利用した様々な製品や取り組みが応募され、賞を競います。
ウッドデザイン賞の三つの部門

ウッドデザイン賞には以下の三つの部門があります。

・ライフスタイルデザイン部門
暮らしの質を高めているもの

・ハートフルデザイン部門
人の心を豊かに、身体を健やかにしているもの

・ソーシャルデザイン部門
地域や社会を活性化しているもの

♣去年のウッドデザイン賞の上位受賞作品
https://goo.gl/bZWuRv

ちなみにこちらが去年最も上位の最優秀賞を獲得したトヨタ自動車のコンセプトカー「SETSUNA」
めちゃくちゃカッコ良すぎます。

これに乗ってドヤ顔で街をクルージングしてみたいものです。

 

下川町のエントリー作品

今回下川町在住のデザイナー寺田さんがウッドデザインに応募した作品は、まちおこしセンター「コモレビ」のエントランスに飾られているメインサインです。
素材には下川町産のカラマツと鉄が使われています。

↓2016年の12月にオープンしたばかりのコモレビと言う複合施設
朝九時から夜の九時まで開いていて、フリーデスク、フリーWiFiが完備されていてちょっとしたミーティングやデスクワーク、会議室も借りれるためビジネスでも使える施設です。

と言うわけで!

今回撮影のご依頼の趣旨

デザイナー寺田さんは単に個人的な作品を応募しただけではなく、その応募の要素の中には施設コモレビとしての立場も含まれていますし、二次審査で必要な動画の中にはメインサインのことだけでなく、町の森林活動に対するPRや、林業の町としての取り組み、町全体の活動動画を盛り込みたいと考えておられました。

そこでより下川町の良さを伝える映像が欲しいと言うことで、私にドローンを使った映像撮影依頼をしてくださったという流れです。
PR動画に使用する8割方の写真と動画素材は予め寺田さんご自身が用意され、残りの二割の映像を私が撮影することになりました。

 

初業務撮影をして思ったこと

「人生で初めて業務という責任の中ドローン撮影をする」というキッカケを頂き、撮影に取り組んでいく中で私自身非常に様々なことを学ぶことができました。

まず私が一週間前から常に意識していたことです。
①ドローン操縦士は天候を読む力が無くてはならない
時には敵となり飛行中止にさせられ、時には最高の照明になってくれる天候。
雨が一滴でも降ればドローンは飛ばせませんし、風が風速5m以上であれば墜落の危険度は非常に高いです。

天候ありきの世界でもあるので、天候は寺田さんと私の動ける日程のマッチする中で数日撮影日候補を上げておき、それまでの間毎日天気予報をチェックし、日程について考えました。

今寺田さんとのメッセージのやりとりを見返しても天気に関する話を多くしています。
ネットで下川町の天気を調べつつも、現地の状況を聞いたりしました。

 

②危ないかも… であれば無理せずやめる
一般の方にもドローンという存在は知られてきたものの、ドローンに関する規制やルール、機体の特性についてまでとなるとそこまでは一般の方は知りません。
こんな動画を撮って欲しいというご要望とドローンの機体の特徴的に不可能な話をいただくことがあります。

そんな時は無理に飛行しようとせず、しっかりと危険の可能性がある理由や、機体の仕組みを説明し、「そういう飛行はできないけども、こんな撮影動画はどうですか?」と提案させていただきました。

これまでのドローン関連の記事でも書いてきましたが、ドローン飛行で最も念頭に置いて操縦士なければいけないことは「安全」です。

ドローンの送信機には万が一の際の事故を防止するため、故意でドローン墜落させる機能もあります。
つまり飛行中にコントロールがきかなくなったり、トラブルが発生し人や建物にぶつかりドローンの機体以外に損傷や事故を起こしてしまいそうな危険を察知したらドローン自体を故意で落下させればドローンが壊れるだけで済むという発想です。

事故の防止でドローンを落下させることは、マイナスなことではなく、むしろ立派な正解の選択の一つです。

今回の撮影は常時風が飛行可能なギリギリの風速5m前後でした。
風が強くなって危ないと感じたら、きちんと「今は飛行できない」と伝え、理解してもらう重要性を感じました。

これはドローンスペシャリスト検定時の講習でも言われたことですが、「撮影の納期が早まったり、取引先から急かされたりしても、安全に飛ばせない環境の中飛行し万が一事故を起こしても、すべての責任は操縦した本人以外に無い」という事を再認識させられました。

③依頼者が求める動画の根本を知る
これはドローンに限らずデザインやHP製作などあらゆるアイデアを形にする業種に関わる事ですが、依頼者がどんな思いを作品に込めたくて、どんな素材を求めているのかを知ることが重要です。
もちろん寺田さんのイメージ(どんな構図で、どんなアングルの動画が欲しいなど)を口頭で伝えてもらいます。

それだけで十分作業するべき手順は組めるのですが、さらにこちらから踏み込み、そのアングルを欲しがる意図やその構図の動画をどう使おうとしているのかなど質問したり、イメージを逆に聞き返し答えをいただく事でより寺田さんの脳内を知ることが出来ます。

ただ言われた内容を撮影するのでは無く、そのデータの使われ方、そして動画を見る視聴者の見た印象をも想像しながら送信機を握りました。
クリエイターにはこのような、良い意味での妄想力が必要になってくると考えております。

 

ウッドデザイン賞の今後の流れ

現在一次審査を通過しているコモレビエントランスサイン。
今後の流れを聞いてみましたのでまとめます。

①寺田さんがPR動画作成。
無事に二泊三日の滞在で寺田さんが求める動画を撮影&編集したデータをお渡し出来ました。
あとはそれらの素材を寺田さん自身が組み合わせ3分間の下川町PR動画を作成します。

②町役場・音源作曲者へ提出前の確認。
動画が完成したらウッドデザイン審査委員会にすぐ送るのでは無く、町の施設コモレビに関する紹介動画シーンなどもPR動画内に含まれているため、町役場にこの作品で二次審査に提出して良いか確認を取ります。
また同様に音源作曲者へも確認を取ります。

町役場、作曲者共にOKが出たら次の段階です。

③ウッドデザイン審査委員会へ提出
締め切りは22日で、審査の期間は9月25日〜10月24日の1ヶ月間。
ここで通過すると見事「ウッドデザイン賞」を授与され、林野庁からウッドデザインのロゴの使用権が与えられます。

 

④さらに上の賞への可能性も

二次審査通過=ウッドデザイン賞授与ですが、そこからさらに上位の賞へ表彰される作品が出てきます。
11月に奨励賞と優秀賞が数点選ばれ、さらに先ほどご紹介した去年のトップであるトヨタの車の位置の最優秀賞が一点のみ選ばれます。

というのが、これから3ヶ月のウッドデザイン賞の流れとなります。

 
またドローン空撮業務についてご報告いたします!

 

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